肺炎は高齢者にとっては致死的な病気です
肺炎は現在,日本の原因別死亡率の第4位を占める疾患です.特に高齢者では致死的な結果をもたらす場合が少なくありません.
肺炎の原因となる菌はさまざまですが,その原因菌の30%は肺炎球菌です.
高齢者の市中肺炎(一般家庭で暮らす人の肺炎)だけに限ると肺炎を起こす原因菌の50%は肺炎球菌です.
肺炎球菌による肺炎がワクチンによって予防できます
肺炎をおこす菌のうち肺炎球菌だけはワクチンが開発されており,それにより高齢者の肺炎の大多数を占める肺炎球菌肺炎を予防することができます.
特に最近,抗生物質がききにくい肺炎球菌(耐性菌)が増加しており30-50%を占めるとの報告もあります.肺炎球菌ワクチンはこれら耐性菌に対しても予防効果があります.
肺炎球菌ワクチンとは?
- 肺炎球菌の病原性を決定する23種類のきょう膜多糖体を含み体内で白血球に肺炎球菌に対する抗体をつくらせます.
(肺炎球菌感染症の80%に対しては予防効果があります)
- 1回接種で抗体価があがり,5〜8年保持されます.
終生免疫ではありませんが肺炎球菌ワクチンの接種は日本では1度だけ認められています.
- 一般にインフルエンザワクチンにみられるのと同程度の注射部位のかゆみ,疼痛,腫脹,発熱,関節痛等はみとめられます.
他の重篤な副作用はほとんどなく,インフルエンザワクチンと同程度の安全なワクチンです.
肺炎球菌ワクチンはこんな方におすすめします
- 高齢者(65歳以上のすべての人)
- 65歳以下でも心臓,呼吸器慢性疾患,腎不全,肝機能障害,糖尿病などの基礎疾患のある方
- 免疫抑制作用のある治療を予定されている方(治療開始まで14日以上余裕のある方)
- 脾臓摘出後の方,脾機能不全のある方
毎年肺炎で入退院を繰り返す方は特に予防接種をおすすめします.
ワクチンを受けられない方
- 過去に肺炎球菌ワクチンを接種された方
- 2歳未満の方
- 放射線療法,免疫抑制剤で治療中の方
- 発熱や急性疾患が明らかな方
ワクチンの効果
高齢者の慢性肺疾患患者に肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンを接種したところ非接種者に比べ入院リスクを63%減少,死亡リスクを81%減少させたとの報告もあります.
ワクチン接種は1年中いつの時期でも構いません.
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